海外旅行トラブル

海外旅行トラブル集【実体験から見る対応例】その①~盗難・スリ・置引に遭遇した時の対応~

海外旅行中にとにかく起きてもらっては困る「トラブル」。しかし、起きてしまうものは仕方がありません。突発的にトラブルに遭遇してしまうと、どうしてもテンパってしまいますよね。

一番の敵は「自分がパニック」になってしまうことです。大事なのは『トラブルをどう処理するか?』です。焦らず、騒がず、粛々と対処することが必要です。

そのためには事前の用意と、何をすれば良いか?という情報を入手しておくことです。

この記事では旅行会社歴20年の経験を交えて実体験による、トラブルとそのトラブルにどう対応したかということをお話ししていきたいと思います。

自身の恥ではありますが、あなたの一助になれると幸いです。

事例1.盗難・スリ・置引

パスポート

海外から見た日本は豊かな先進国です。と、なると当然ですが、海外旅行をしている日本人はお金持ちかと目されるというわけです。

物価が安い、東南アジア諸国や南アジア諸国、治安があまりよくない、南米、中南米諸国はもちろんのこと、今では移民が問題化している欧州さえも気を付けなければいけません。

これは、私が実際に体験した、列車内置引事件のお話しです。

事件の経緯

もう10年以上前の話になりますが、ヨーロッパを旅行中での出来事です。列車に乗り、パリから南仏に向かっている途中、昨晩飲みすぎて、さらに早朝の便だったこともあり、思わずうたた寝をしてしまいました。

スーツケース

そして数時間後、ふと起きると、首から下げていたポーチがありません。周囲を見渡してもなく、スーツケースをひっくり返してもありません。

「やられた!」と思っても後の祭りです。ポーチの中身は、財布(300ユーロほど)とパスポート、あとは薬類でした。

不幸中の幸いですが、列車のチケットはポケットに入れていたのと、クレジットカード類はスーツケースに入れていたので無事でした。

対応

まず警察署へ

警察署

列車のチケットはポケットに残っていたので、普通に列車を降り、そのまま警察署へ直行。とりあえず盗難届を出します。そのときにパスポートも必要なのですが、パスポートも一緒に盗まれたことを伝えて、パスポートコピーを提出すればOKです。

警察官

説明のときは、英語で良いので、ゆっくりと端的に話しましょう。単に単語を並べるだけで分かってくれます。

I am come from Japan.I am traveling to France.I was stolen on the train.My passport was stolen too.

(私は日本から来ました。フランスへは旅行で来ています。私は列車の中で盗難に遭いました。パスポートも一緒に盗まれてしまいました)

くらいで十分通じます。盗難届の書類は日本語の説明書と同時に渡されますので、戸惑うことはないでしょう。列車の予約控えも合わせて提示しておきます。(どの便に乗ったかを確認してもらうため)

書類は英語またはフランス語で記入してください。

併せてパスポートの失効についても相談してください。

事情聴取

その後、事情聴取になります。これもゆっくりと焦らずに、英語でのやり取りになります。時間にして30分程度だったと思います。調書の指定された場所にサインを数か所して、これで終了です。

最後に、ポリスレポートを2枚もらえますので、忘れずに受け取って、そのままパリにトンボ帰りです。

盗難届を出す理由

  1. もしかすると盗難されたものが見つかるかも!?(基本的にまず戻ってくるという望みは捨てたほうがいいかもしれません・・・)
  2. 海外旅行保険の「携行品損害の申請」のために、ポリスレポートの提出が必要。
  3. パスポートの再発行時、ポリスレポートの提出が必要。

※このケースはほぼ現金だけの損失なので、海外旅行保険の適用外。

日本大使館でパスポートの再申請

列車の中で、本日宿泊する予定だったホテルに、事情を説明してキャンセル。キャンセル料も止む無しです。

そして、急遽、前日まで宿泊していた、パリのホテルを無事予約出来ました。前日まで宿泊していたので、パスポートが無くても事情を話せばなんとか・・・って感じです。

パリ到着後、日本大使館に向かいましたが、その日はもう閉まっていましたので、翌日に再訪問。

パスポートの再発行に必要な書類は日本で申請したときと同じものになります。それと盗難にて紛失したという手続き・証明も必要になります。

  • 一般旅券発給申請書
  • 戸籍抄本(謄本でも可)
  • 顔写真(4.5cm×3.5cm)
  • 紛失一般旅券等届出書
  • ポリスレポート

いやあ、鬼畜ですねえ・・・さすがお役所仕事・・・と文句を言ってはいけません。全ては自分の不注意が原因です。

そして、再発行に掛かる日数は日本と同じく7日です。私はその時、12日間の休暇を取っていました。帰国日はちょうど再発行日の翌日ということで、普通にそれまでパリ市内に滞在しました。

どうしても至急帰国しないといけない場合は、その旨を説明して「帰国のための渡航書」を貰い受けましょう。帰国のための渡航書は当然パスポートではないので、日本に入国した瞬間に効力を失います。

また、帰国のための渡航書は基本的に日本直行便の利用に限りますので、注意してください。

もちろん旅行はぶち壊しですね。金銭的にも時間的にも高い授業料となりました。

授業料

ただ、幸いだったのが、当時は模範的な旅行会社社員だったため、戸籍や顔写真をちゃんと持参していたということです。

そのため、再発給手続きがスムーズに出来たので、おかげでパリを満喫することが出来ました。それはもう、ホテル周辺のみ飽きるほど。ホテル横のカフェの常連になってましたね。(下手に観光地へ行って、職質受けたら面倒なことになりそうだったので・・・)

カフェ

もし、戸籍謄本(または抄本)を持ってきてない場合は、日本にいる家族に戸籍を送ってもらうことになります。そうするとさらに、手間と時間とお金が掛かってしまうので、海外旅行の際は絶対に持参した方がいいですね。

まとめ

このように、些細なことで楽しいはずの旅行が、一転して修羅場のようになってしまうということを、お分かり頂けたことと思います。大事なのは、事件遭ってから焦るのではなく、事件を避けることです。

海外で盗難・スリ・置引を避けるためには・・・

観光地など、人混みが激しい場所では、荷物をしっかりと自分の前に持って、目を離さないようにしましょう。私が観光地で気にするのは、周囲の人が観光者か、犯罪者かをある程度見極めることです。

観光者は観光物を見ています。しかし、犯罪者は人を見ているのです。視線に注意を向けましょう。

移動中の居眠りは危険です。絶対に起きているか、貴重品はスーツケースにしまっておきましょう。(チェーンキーを持っているとより安全です。過剰かと思われるかもしれませんが、痛い目に遭うより100倍マシです。)

そして、万が一、自身がこのような事件に遭遇したときは、まず落ち着きましょう。どう対応したら良いか分からない人は、分かる人に聞きましょう。

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ABOUT ME
かっこたび(旅)
元旅行会社社員です。旅行会社歴20年です。海外旅行のことを、予約から現地情報まで、実体験をまじえて事細かくご紹介します!
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