海外旅行の醍醐味はなんと言っても「非日常」を味わえることですよね。なので、せっかく海外旅行に行っても、日本人だらけだとちょっと萎える・・・という方も中にはいらっしゃると思います。
かと言って、日本人があまりいないことのみを追求して、面白みの無い場所に行っては本末転倒です。また、奇をてらって、秘境などを狙っても、リスクが高かったり、長い日数を掛けて行かないと辿りつけなかったりということもあります。
そこで、この記事では、
- 日本から近い、気軽に行けるアジアで、
- 治安も良好で、アクセスも手間が掛からず、
- 日本人観光ルートから離れている穴場
安全な近場で安価、「安・近・安」で尚且つ見所満載の穴場を紹介します!
フエについて
ベトナムの観光と言えば、ハロン湾などが至近にある首都ハノイや、高級リゾート地化して、世界遺産のホイアンが圏内にあるダナンや、南の商都ホーチミンが挙げられます。
そして、ダナンから少しだけ外れたところにある、「古都フエ」は穴場と言うに相応しい観光スポットです。
フエは、3世紀に渡り、3つの王朝が首都に定めた街です。特にベトナム最後の王朝である、「阮朝」が隆盛を極めた街です。
1993年にベトナムでは初の世界遺産に認定されたのがこのフエです。王宮や帝陵、寺院などの建築物は中華王朝の影響を受けたものになっています。
それでありながら、フランス植民地時代を色濃く残す、欧米の雰囲気が混在しているのも魅力の1つとなっています。
そして、少し郊外に出ると、長閑な農村風景が広がり、それがまた旅人を癒してくれます。
フエへのアクセス
飛行機
ホーチミンからは1日10便以上、ハノイからは1日4便程度、直行便が出ています。(所要時間1時間10分~20分)日本からの直行便はありません。
航空券料金はベトジェット利用で片道約3,000円(ハノイ発、ホーチミン発ともに)で利用出来ますので、それほど負担にはならないと思います。
フエフーバイ空港からフエ市内までは約15kmでツーリストバスで約30分(5万VND)で行けます。タクシーの場合は20万VNDくらいで行けますが、タクシーを使用する際は、Grabを使うか、もしくはメーターを使用してもらってください。
※10,000VND≒50円
列車
ベトナムには南北総延長1,726kmの「ベトナム統一鉄道」が走っています。しかし、運航速度が遅く、時間があまり無い方は飛行機の方が手っ取り早く、さらに、運賃も飛行機利用と同じかそれ以上なので、あまり使うメリットは無いかもしれません。
しかし、ベトナムの長閑が風景を楽しむことが出来ますので、それもベトナム旅行を味わうことが出来るひとつなのかもしれません。
ハノイ→フエ(所要時間約14時間):運賃約450,000VND
ホーチミン→フエ(所要時間約14時間):運賃約550,000VND
※運賃は使用するシートによって変わります。
フエの観光
王宮
ベトナム最後の王朝「阮朝」の王都だったフエ。阮朝時代の王宮や帝陵など世界遺産に指定されている遺跡が数多く存在します。
しかし、ベトナム戦争で、貴重な遺跡に被害が及び、修復作業が現在も進められています。
「王宮」は約3.6㎢(東京ドーム76個分)の広大な面積を誇ります。周囲2.5㎞の城壁に困れた敷地内には宮廷文化を今に伝える建設分が残されています。
中でも1826年に建設された「閲是堂」はベトナム最古の劇場で、1日に2回、王宮舞踊音楽を楽しむことが出来ます。(ユネスコ文化世界無形遺産に認定されています)
そして、広大は広さの王宮観光に疲れたら、王宮のカフェで休憩しましょう。北門から出て左手に行くと、見張り台があります。そこがカフェになっています。その名も「四方無事楼」と言います。
元々は見張り台で、そこからは旧市街が一望出来ます。第十二代皇帝カイディンが建設を命じて造営されましたが、景色が良いため、皇太子と皇太子妃の憩いの場になっていたとのこと。
その風景を見ながら、のんびりとお茶を楽しんでみてください。そしてここは、王宮の外にあるため、観光客見学ルートから外れている穴場です。なので、ゆっくりと味わえますよ。
帝陵
「帝陵」はフエ郊外に7か所点在しています。タクシーでまわるには少し費用が掛かり過ぎると思いますので、ここはレンタルバイクまたはレンタルサイクルでまわりましょう。
特におススメなのは「カイディン帝陵」です。ベトナム阮朝最後の帝陵です。フランスの影響を多大に受け、バロック様式を取り入れた造りになっています。
華美なまでに装飾された「啓成殿」はアジア各地より取り寄せた器などを材料とし、東洋と西洋を融合させたようなデザインになっています。
帝陵に行く途中、ベトナムらしい風景が広がっていますので、それだけで十分楽しめると思います。
入場料等
王宮:100,000VND
王宮舞踊音楽鑑賞:200,000VDN
帝陵:無料~100,000VND(各陵により変わります)
レンタルサイクル:50,000VND前後/1日
レンタルバイク:100,000VND前後/1日
※ベトナムでは国際免許証が使えません。バイクを運転する際は、ベトナムの免許証が必要になります。日本の普通二輪の免許証を持っていれば、規定の書類を提出するだけで、ベトナムの免許証を取得出来ます。
また、レンタルバイクで事故を起こした場合、海外旅行保険でカバー出来ないケースが多いです。運転する予定があるのであれば、必ず保険を確認しておきましょう。
ティエンムー寺
ティエンムー寺は王宮から西方にある丘に建てられた、フエ最古の寺院です。広南王朝の太祖「グエン・ホアン」が国を建てるためにこの村を訪れた際、その村の伝承を聞きました。
その伝説とは「赤の衣と緑の裾を着た老婆が丘の上に現れて、『いつか真の主がやってきて、この地に霊気と龍脈を集めるために寺を作るだろう』と伝えた」というもの。
そこでグエン・ホアンはこの地に寺院を建立しました。1601年、日本では関ケ原の合戦の翌年のことです。
ティエンムーとは漢字で書くとティエン=天、ムー=姥となり、天の老婆の寺と言う意味になります。ティエンムー寺は美しい庭園と建築物、そしてゆったり流れるフォーン川を楽しめる、心地の良い寺院です。
フォーン川
フォーン川はラオス国境から南シナ海に流れ込む、新旧フエ市街を二分している緩やかな川です。フエの定番の風景とも言えます。旧市街と新市街を繋ぐ3か所の橋を始め、いろいろな絶景スポットを見ることが出来ます。
チャンティエン橋は6つのアーチで出来ており、全長は402.6mあります。1899年に完成したこの橋は、あのエッフェル塔を設計したギュスタール・エッフェルが設計したものです。
夜間はライトアップされ、その付近はないとマーケットがにぎわう、観光スポットになっています。また、フエ民謡「カーフエ」を聞きながら川下りが出来る、ドラゴンボートも運行しています。(夜間のみ)
カーフエドラゴンボート:100,000VND
マンダリンカフェ
ホテルインペリアルフエの隣にある、気の良い写真家のマスターが経営する居心地の良いカフェです。
旅行者が来店すると、ニコニコと微笑みながら、マスターが撮影した写真集を取り寄せて、説明を交えながらもてなしてくれます。
マスター目当てのお客さんで毎日賑わっています。初めての方も気軽に立ち寄って楽しめるのでおススメです。
フエまとめ
古都フエは1945年まで王都として栄えた街ですが、今は街を流れるフォーン川とともに、時間がゆったりと流れる、趣のある地方都市です。
紹介させて頂いた通り、フエには見所がたくさんあります。そして、紹介した以外にも、フエ市民でにぎわう「ドンバ市場」やあの有名な「ブンボーフエ本店」など、まだまだ楽しめるところがあります。
フエを隅々まで観光するとしたら3日は最低必要になると思います。
また、人気のダナン、ホイアン、ミーソン遺跡や、山岳部に行くと少数民族の集落にも近いので、ベトナム中部観光の拠点としてでも利用出来ます。
海外旅行の人気国ベトナムの穴場のフエを是非訪れてみてください。きっと満足出来ることでしょう。